世の中の映画や物語にはある法則が存在します。
それが古今東西に神話に共通する『神話の法則』です。
これは神話学者の『ジョセフ・キャンベル氏』が提唱した法則で、あらゆるヒット作はこの法則で物語が構成されています。
人が感動したり、共感するストーリーはどれも本質的には同じで、この法則から外れるとヒットしないとも言われることも。
ハリウッド映画の場合、神話の法則に則って作られていない脚本は『ヒットする可能性が低い』と理由でボツになる場合もあるみたいです。
例えば「スターウォーズ」や「オズの魔法使い」「E.T」「プリズン・ブレイク」といった海外のヒット作から「千と千尋の神隠し」「風の谷のナウシカ」「ラピュタ」といった宮崎駿作品、「ワンピース」「ドラゴンボール」などの日本の人気アニメまでこの神話の法則に沿ってストーリがー組み立てられてます。
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Contents
- 0.1 神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)とは
- 0.2 なぜ神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)が大事なのか
- 0.3 神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)の12ステップ(フレームワーク)
- 0.4 神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)のフレームワークを解説
- 0.5 オズの魔法使いと神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)
- 1 シンデレラを『神話の法則』で解説!心に響く展開とは!?
神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)とは
神話の法則とはヒーローズ・ジャーニーとも呼ばれ、スティーブン・スピルバーグ監督やジョージ・ルーカス、フランシス・コップラといった超有名映画監督も用いる、人を感動し動かす普遍的な物語の法則です。
12のステップからなる構成に沿って物語を組み立てることで、感動を呼ぶストーリーを作れます。
これは、ヒーローズ・ジャーニーという名の通り、どうヒーロー(英雄)を魅力的に見せるという手法でもあるので、コーチングの手法としても用いられています。
元々は、ジョセフ・キャンベルが古今東西の民族の神話を分析した結果、神話にはある法則があることを発見したことが始まり。
神話とはおとぎ話ですので、世界中のおとぎ話は民族や時代、海を越えて似ているということですね。
例えば、主人公が仲間を従えて、敵(ドラゴンなど)をやっつけに行くというストーリーは古代ローマ時代に神話などよく出てくる鉄板の物語ですが、海を越えて日本にも古代から桃太郎のお話が存在します。桃太郎(主人公)が仲間を従えて、鬼を退治しにいった結果、宝を持って帰還するというストーリーは世界中のおとぎ話と同じです。
世界中の神話についてはジョセフ・キャンベルの「神話の力」で詳しく解説されています。
神話の力の内容については『【全ての人類を動かす】〜神話の力〜』でも紹介していますので参考にしてください。
神話の法則の言葉の定義
ヒーローズ・ジャーニー
アーキタイプ(元型)
カール・グスタフ・ユングが提唱した分析心理学(ユング心理学)における概念
ストーリーテリング
ストーリーテラー
なぜ神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)が大事なのか
正直、「普通の人がヒット作の法則を知って何になるの?」と思うかもしれません。
しかし神話の法則は心理学に則った人を動かす技術ですので、日常生活やあらゆるビジネスシーンで活用できます。
例えば、自分のプロフィール文で神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)を活用すれば、読み手を共感させて動かす文章を書けます。
なぜならば、神話の法則は人生のステージと共通しているからです。
そのため、マスターすると仕事も依頼されやすくなるでしょうし、面接に場合も非常に有効なアピールになります。
商品・サービスの場合は開発秘話をストーリー調で語ることができると、ぐぐっと魅力を訴求できますよね。
それは、人との出会いも同じ。
自分を魅力的に紹介できれば、その後の関係も良好に築いていくことができるでしょう。
神話の法則は、古今東西の神話から導き出された法則ですので、私たちのDNAレベルで共感するストーリーになっています。
ですので、神話の法則を学ぶことは人の心理を理解し、魅力的に自己を語るための必須スキルなのです。
神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)の12ステップ(フレームワーク)
世界中の脚本に使われている、神話の法則は12のステップ(フレームワーク)から成り立っています。
作品によっては順番が入れ替わったり、使われていないステップがあったりしますが基本的にはこの12のステップが基本型になります。
- .日常生活
- .冒険への誘い
- .冒険の拒否
- .賢者との出会い
- .戸口の通過
- .試練、仲間、敵
- .もっとも危険な場所への接近
- .最大の試練
- .報酬
- .帰路
- .復活
- .宝を持っての帰還
改めてこの12ステップを意識して、いろんな作品を見返すと全てこの法則に則っていることに気が付くことでしょう。
ワンピースの場合も村の少年ルフィの日常生活から始まり、シャンクスの登場とゴムゴムの実の力により冒険の旅へと出発し、旅の途中で仲間たちと出会い、数々の試練を乗り越えながら危険な場所(グランドライン)へと向かいます。
ドランゴンボールも最初はほのぼのとした悟空の日常から始まり最終的には最大の試練、ピッコロ大魔王と戦い、仲間のもとへ帰還するというストーリです。
大人気海外ドラマの『プリズン・ブレイク』もマイケル・スコフィードの日常生活から始まり、刑務所から脱獄(冒険)するために仲間やメンター、敵と出遭いながら脱獄を試みていくというストーリーになってます。
また、このステップは全てこのフレームワークにハマっていないといけないというわけではありません。
物語によっては順番通りだとくどくなってしまうので、順番を変えたり、飛ばしたりしながバランスを意識することが重要です。
神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)のフレームワークを解説
神話の法則の12ステップを端的に文章にすると以下のような形になります。
これは物語の法則の中でも紹介されています。
【日常生活】の中にいるヒーローがふとしたきっかけで【冒険の誘い】を受ける。
最初は仕方なく【戸口の通過】を果たすものの【試練、仲間、敵】と出会いながら成長していく。
【最も危険な場所】にたどり着いたヒーローは、【最大の試練】に勝利。
そして【報酬】を手に入れ、追いかけられながらも自分の元の世界へと【帰路】に着く。
ヒーローは冒険の経験のより【復活】し、新たな自分へと生まれ変わる。
そして、自分の世界に恩恵をもたらす【宝】や霊薬を持って、【日常生活】へと【帰還】を果たす。
ここからは各ステップをひとつひとつ解説いたします。
1.日常世界
物語はヒーローの平凡な日常生活から始まります。
意識してみると多くの作品が、主人王の日常生活から描かれており、
例えば【オズの魔法使い】ではドロシーの日常から【ビバリーヒルズコップ】では事件が起きる前の通常業務から幕を開けます。
【ワンピース】もルフィの日常から始まりますよね。
2.冒険への誘い
日常生活からヒーローがふとしたきっかけが原因で冒険へと誘われるパートです。
ここではヒーローが自ら望んで冒険の旅に出かけるというよりは、突然やむおえずに行動せざるを得ないという状況。
映画では事件に巻き込まれたり、敵討ちに出かけたり、お姫様を助けにいったりといった描写で描かれます。
3.冒険の拒否
最初のうちはヒーローは冒険に対して否定的な態度を示します。
例えば【オズの魔法使い】のドロシーも最初は元の家に戻りたがりますし、【ワンピース】のルフィもシャンクスに救われるまでは冒険に対して積極的だったわけではありません。
しかし、話の成り行きや何らかの事情により冒険に旅に出かけることになります。
4.賢者との出会い
主人公の成功物語にも必ずと言っていいほど、賢者(メンター)が登場します。
時に、主人公に試練を与え、時に知恵を与え、勇気を与えます。
分かりやすくいうと、師匠のような存在で助言やアドバイスを行なってくれる存在。
一番有名な賢者の例は映画『スターウォーズ』のヨーダがこれに当たります。
5.戸口の通過
主人公が初めて変化を受け入れて、本格的に冒険の旅へと出かけ物語の中に関わっているパートです。
戸口は出口のない関所のようなもので、ここを過ぎると後戻りはできなくなります。
ジブリ映画『千と千尋の神隠し』の場合だと、湯屋に通じる神の世界と現実の世界を繋ぐ”赤い橋“を千尋が通過するシーンにあたります。
6.試練、仲間、敵
冒険の旅へと本格的に出かけた主人公は、様々な試練に出会います。
その中で、試練を乗り越えて共に目標へと向かう仲間たちで出会ったり、さらなる試練として敵対者に出会ったりします。
出会いと、試練を乗り越えて主人公はさらに成長していきます。
【桃太郎】の場合は主人公が冒険に出かけることで犬、キジ、猿と出会いますし、【ワンピース】ではゾロ、ウソップ、ナミ、サンジと出会っていきますよね。
7.もっとも危険な場所への接近
主人公は冒険の中でもっとも危険な場所へと接近していきます。
この場所を通過しないと、目標は達成できない場所や、最大の敵に出会う前の通過点として描かれることが多いです。
8.最大の試練
物語の中で、最も主人公が大変な思いをする試練が訪れます。
RPGゲームと例えると、ここがラスボスとの遭遇になりますね。
映画【ラピュタ】で例えると、シータがパズーがムスカに追い詰められるシーンです。
【ショーシャンクの空に】ではアンディが懲罰房に入れられて絶望するシーンがここに当たります。
【オズの魔法使い】では魔女と対峙するシーンですね。
9.報酬
最大の試練を乗り越えると、主人公はその対価である報酬を受け取ります。
映画【E.T】ではE.Tとの友情ですし、【ラピュタ】ではシータが報酬にあたりますね。
友情や金銭、ヒロインの奪還などの報酬が描かれることが多いです。
ビジネスの場面では具体的な成功体験を描くと良いでしょう。
10.帰路
報酬を手に入れた主人公は元の世界への帰路につきます。
しかし、このシーンでは完全に元の世界に戻るわけではなく、そこまでの過程が描かれます。
11.復活
主人公は冒険の旅を終え、報酬を手にして元の世界へと帰ってきます。
【オズの魔法使い】ではドロシーがベットで目を覚ますシーンがここに当たります。
【アナと雪の女王】では、アナのエルサに対する愛で氷が溶けるシーンでしょうか。
主人公は元の世界へと戻り、日常の生活を取り戻します。
12.宝を持っての帰還
いよいよ物語もクライマックス。
主人公は元の世界へと戻り、日常の生活を取り戻します。
冒険を通じて得た知識や経験、仲間や宝物、もしくは取り戻した人質や自由と共に主人公は、自分の世界へと帰還を果たします。
そして、物語はここで終焉を迎えます。
以上が神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)のフレームワークです。
ここからは神話の法則のフレームワークの中でも比較的わかりやすい『オズの魔法使い』を例にして神話の法則をご紹介します。
オズの魔法使いと神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)
数ある作品の中でも『オズの魔法使い』は神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)に忠実に作られています。
しかも1時間40分くらいの映画なので、サクッと神話の法則のエッセンスを学ぶのにおすすめ。
オズの魔法使いはドロシーという村の少女の日常から始まります。
そして、ペットのトトが意地悪の地主に殺されかけるのを阻止するために村を逃げ出します。ここが『冒険へのいざない』ですね。
しかし、ドロシーは、教授と呼ばれる謎の占い師のおじさん(メンター)から育ての親の叔母さんが病気になることを知らされ、冒険を拒絶。
ドロシーは叔母さんの元へ帰るために村に戻るが、不運なことに竜巻に巻き込まれてしまう。
その竜巻は魔法の国につながっていて、ドロシーは摩訶不思議の国にたどり着く。
ここが第一関門突破になっています。
その後、ドロシーはかかしとブリキとライオンの3人の仲間と出会い魔女の杖を手に入れるために最も危険な場所である魔女の城を目指しにいきます。
そして最大の試練ともいえる魔女との対決を迎え無事勝利して、報酬を手に入れます。
最後に、ドリシーは叔母さんのいる村に戻るわけですが、そのためには冒険を共にした仲間との別れが必須でした。
涙、涙の別れになるのですがドロシーは、村に帰る決断をします。
魔法の国での出来事は夢だったのか、ドロシーが目を覚ますと元の生活がそこにありました。
しかし、記憶は鮮明で仲間たちとの思い出は消えていません。
悲しむドロシーのもとに、なんと不思議の国で一緒に冒険した仲間と瓜二つの男たちがドリシーのもとに登場します。
「僕たちはここにいるよ」
という、メッセージと共にハッピーエンドとなるわけですが、ヒーロー(ヒロイン)の冒険を魅力的に描写し着地地点も見事な作品だと思いました。
神話の法則を学ぶには『オズの魔法使い』はもってこいです。
ちなみに、スティーブン・スピルバーグの【E.T】も神話の法則に沿って作られているので、構成を意識しながら見ると別の面白さがあります。
こちらの記事では神話の法則をシンデレラの例に解説していますので、合わせてお読みいただくとより理解が深まります。⬇︎
シンデレラを『神話の法則』で解説!心に響く展開とは!?
神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)の3つの構成要素とは
実は神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)の12ステップは3つの構成要素によってなりたっています。
それが物語の3幕構成です。
どういうことかというと、物語は主人公の日常→非日常→日常の世界を描いているということ。
具体的には、
- 主人公の決断(日常から非日常へ)
- 主人公の行動(非日常の世界での試練と報酬)
- 主人公の行動の結果(非日常から日常の世界への帰還)
以上のように大きく分類すると神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)は3つの構成で組み立てられています。
1.主人公の決断(日常から非日常へ)
主人公の決断(日常から非日常へ)は12ステップでは以下の部分に相当します。
1.ヒーローの【日常生活】が紹介され
2.【冒険へのお誘い】を受ける
3.はじめは気乗りせずに【冒険を拒否】するヒーローだが
4.【賢者との出会】との出会いによって旅立つ決意をする
5.新しい世界へと足を踏み入れ【戸口の通過】を行なったヒーローを…
ここまでが第1幕です。
2.主人公の行動(非日常の世界での試練と報酬)
続いて主人公の行動(非日常の世界での試練と報酬)では
6.【試練、仲間、敵】が待っている
7.次に【最も危険な場所へ接近】すると
8.そこには【最大の試練】が待ち受けている
9.試練に打ち勝ち【報酬】を手に入れたヒーローたちは
ここまでは第2幕です。
主人公の行動の結果(非日常から日常の世界への帰還)
3幕構成のラストは主人公の行動の結果(非日常から日常の世界への帰還)です。
10.日常の世界への【帰路】につく
11.最後の関門をくぐり抜け【復活】を遂げ
12. 元の世界へ【宝を持って帰還】を果たす
ここで物語の3幕構成は終了です。
まとめると、物語の3幕構成は主人公が日常の世界から非日常の世界へと冒険の旅に出て、数々の困難を乗り越え、宝もしくは成長して日常世界に帰還するといったイメージ。
具体的には以下の3ステップを参考にしてください。
Step1. 悩み、ためらい、葛藤を抱えたヒーローが冒険の旅に出る決意をし(日常)
Step.2 様々な失敗や挫折を経験しながらも、メンターの助言や仲間、ライバルに出会いながら問題に立ち向かい(非日常)
Step.3 成功(成長)を手に入れ、自己実現を果たすor新たな自分を手に入れる(日常)
以上が神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)の3幕構成になります。
ポイントは主人公が冒険の中で、なにを経験し、誰と出会って、どう成長していくのか。
それを日常→非日常→日常で描くということ。
最後はポジティブに抜けることも大切です。
(主人公は最後に勝利を収めるetc…)
神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)に登場するアーキタイプ
神話の法則には、12のステップ(フレームワーク)とアーキタイプ(キャラクターの原型、頻繁に登場するキャラクター)が存在します。
誰もが共感する主人公からはじまり、物語に彩を与えてくれる仲間や道を阻む難敵、または物語に息抜きをもたらすトリックスター(いたずら者)などがこれにあたります。
キャラクターの全体像を紹介すると、
- .英雄(冒険に出る主人公)
- .使者(主人公を冒険へと誘い出す存在)
- .賢者(主人公を手助けする存在、メンター)
- .門番(主人公の行く手を拒む難関的存在)
- .変化する者(常に変化し、主人公を惑わす存在)
- .悪者(主人公と敵対する存在)
- .いたずら者(トリックスター)
以上のキャラクターは作品をより面白く、聴衆を惹きつけ感動を呼ぶためのストーリーには欠かせません。
アーキタイプは最初は悪者として登場しても、物語の途中で使者に変わったり、賢者に変わったりすることもあります。
例えば【プリズンブレイク】のシーズン2から登場する『マホーン』は最初マイケルを追いかけるFBI捜査官の役ですが、シーズン4以降は硬い絆で結ばれる仲間に変化します。
また、英雄は「傷ついた存在」であることがポイントで、その傷を癒すために冒険に旅に出るという設定が人々の共感を生みます。
現実に対して満たされている主人公よりも、何か問題を抱えていたり、傷を背負っていたりしたほうが私たちはその人物に共感するんですよね。
【オズの魔法使い】の例だと主人公のドロシーをペットのトトと教授の存在(使者)により旅に出かけ、東の魔女(メンター)が魔法の国での道標を示し、西の魔女の元への道中で数々の門番に出会します。
オズの魔法使いの悪者はもちろん西の魔女であり、この作品でいうといたずら者は最後に登場する『オズ』だったり、冒険に引き金になり、様々な問題を引き起こすペットの『トト』とも受け取れます。
これらの登場人物が魅力的であればあるほど、物語は深みを増していきます。
アーキタイプについては『英雄の旅』という本が非常に参考になりますので、リンクを貼っておきます。
アーキタイプのそれぞれの役割
ここでは、上記で紹介したアーキタイプの役割を軽くご紹介します。
1.英雄(冒険に出る主人公)
物語の中心となる人物。
自分自身の人生の中では、誰しもがヒーロー。
2.使者(主人公を冒険へと誘い出す存在)
『冒険の誘い』を伝えるもの。
主人公に行動を促す人だったり、出来事だったり。
賢者や悪者などがこの役目を果たすこともある。
3.賢者(主人公を手助けする存在、メンター)
『主人公』を導く人物。もしくは導く原理。
EX.『スターウォーズ』のヨーダ。アーサー王伝説のマーリン。『シンデレラ』なら魔法使い。
4.門番(主人公の行く手を拒む難関的存在)
『主人公』の重要なターニングポイントとなる時点でじゃまをする力。
嫉妬深い敵、仕事といて門番を務める人物。
もしくは『主人公』自身の恐れや疑いなど。
Ex.ワンピースの場合だと第一巻で子供の頃に海で襲われた際にシャンクスに助けられた海の主と17歳のルフィが再開するシーン。
5.変化する者(常に変化し、主人公を惑わす存在)
ホラー映画やファンタジーの吸血鬼、狼男のような、返信する生き物。
『変化する者』は不可解に変化する人間自身のパーソナリティや気分を象徴的に表現している場合もある。
6.悪者(主人公と敵対する存在)
悪者や敵。影(シャドウ)と表現されることも。
具体的な悪者が出てこなくても、主人公が抱える内面的な悩みや問題が内面の敵になることもある。
例えば、抑えつけられた感情、悲しみ、怒り、いらだち、想像力など。
7.いたずら者(トリックスター)
道化役のいたずら仕掛け人。バッグス・バニー、エディ・マーフィー、リチャード・プライヤー、ダフィー・ダックに代表される。
人が持ついたずら好きな潜在意識、状況を変えたいという衝動を象徴する人物。
その他.仲間
『主人公』の変化を助けるキャラクター。腹心、相棒、ガールフレンドなど。
Ex.『鬼滅の刃』の善逸、伊之助、禰豆子、『桃太郎』の犬、猿、キジetct…
新海誠監督『君の名は』の場合のアーキタイプ
新海誠監督の大ヒット映画『君の名は』の登場キャラクターのアーキタイプをここでは紹介します。
- 英雄 ➡︎滝と三葉
- 使者 ➡︎ティアマト彗星or滝であり三葉
- 賢者 ➡︎一葉(三葉の祖母)
- 門番 ➡︎三葉の父親
- 変化する者 ➡︎奥寺先輩
- 悪者 ➡︎糸守での生活/いじわるな同級生
- いたずら者 ➡︎滝の同級生、奥寺先輩、四葉
ざっくりとですが、君の名はのアーキタイプはこのような形になるでしょう。
恋愛の場合のアーキタイプ
神話の法則は恋愛ものでも応用できます。なぜなら恋愛が実るステップも神話の法則で説明できるからです。そのため、恋愛中に登場する人物もアーキタイプにはめ込むことが可能。以下は恋愛の場合のアーキタイプです。
- 主人公=恋する人物
- 使者=恋愛ができる出会いの場
- 賢者=恋愛相談に乗ってくれる知人、友人
- 門番=恋の邪魔をする人物
- 変化する者=揺れ動く恋心
- 悪者=恋のライバルもしくは反対する人
- いたずらもの=茶化してくる人
以上の登場人物は自分の恋愛体験や恋愛ドラマを思い浮かべても当てはまるのではないでしょうか。
神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)の使い方
ここまで「オズの魔法使い」を題材に神話の法則をご紹介しましたが「日常生活では使えないのでは?」と思った人もいるでしょう。
神話の法則は日常生活でも威力を発揮します。
例えば
- コピーライティング
- セールスレター
- プロフィール文
- 企画書
- 履歴書
など幅広く使用できます
なぜなら神話の法則とは大きく『過去→現在→未来』を語る法則だからです。
自己アピール文なら、ただ自分のアピールポイントを書くだけでなく、以下のような形で伝えるとより魅力的に伝えられます。
過去→自分は過去にこんな問題(課題)を抱えていた。それを解決するためにこんな努力をしてきた。
現在→その結果、この問題を解決できて、自分自身成長することができた。
未来→そこで得た経験を御社(部署)で活用していきたい。
非常にざっくりですが、物語形式で語ることで読む人も感情移入しやすくなります。
専門用語や実績などはわかる人にしかわからないケースもありますが、ストーリーはその人の背景に関わらずに伝えることが可能です。
人はみな、ストーリーを聞いたり見たりしながら育ってきたからですね。
神話の法則は12ステップありますが、それらをまとめると大きく3つで構成されています。
- .主人公の決断
- .主人公の行動
- .主人公の行動の結果
イメージを伝えると以下のような感じ。
さらに3幕構成で自己推薦文を書く場合はこんな感じになります。
悪い例:私は〇〇や▲▲できます!こんなことや、あんなことも経験しました。だから、昇進させてください!
良い例:入社当時、私は〇〇に苦労していました。しかし、業務を行うためには■■のスキルが必要不可欠と痛感し、▲▲のスキルを磨いてきました。ですので、そこで身につけた▲▲を◆◆の業務で活かしていけます。
いかがでしょう。良い例の方がぐっと印象が良くなったと思います。
この構成の則ることで、私たちが日常生活で使用する文章の中にも神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)のエッセンスを取り入れやすいのではないでしょうか。
神話の法則を作るための5ステップ
実際に神話の法則を作成する場合に意識すべきステップは次の5つ。
- .ゴール(着地点)を決める
- .ストーリーに盛り込むネタを収集する
- .ストーリーのテーマとキャラクターを設定する
- .神話の法則のフレームワークに落とし込む
- .PDCAサイクルを回す
それぞれ解説していきます。
1.ゴール(着地点)を決める
どんなストーリーでもゴールが一番大切です。
着地点を明確にしてから逆算して文章を書くことが、人を動かす文章術の基本。
かのスティーブ・ジョブスの数々の伝説的プレゼンテーションも逆算思考で生み出されています。
物語のゴールは、
- あなたのファンになってほしい
- 問い合わせ数を増やしたい
- CV(コンバージョン率)を上げたい
- 資料請求数を増やしたい
- 第一志望の会社に受かりたい
- 人を動かしたい
- 商品・サービスを買ってほしい
などが挙げられると思います。
ゴールによって、登場人物やストーリーの軸が変わってきますのでしっかりと決めておきましょう。
読者がストーリーを読んだ後に取ってほしい行動まで落とし込めると完璧です。
着地地点が明確だと、ストーリーも組み立てやすくなります。
2.ストーリーに盛り込むネタを収集する
次のストーリーに使用するネタを集めます。
自分の商品・サービスに関する開発秘話だったり、キーマンの存在、失敗談や成功談など。
どんな人が関わっていたのかも洗い出しておくと、後のキャラクター設定が楽になります。
ちなみに、人に共感してもらう物語の最大のコツは『失敗談』です。
実は人は成功の話よりも失敗の話の方が、自分のことを置き換えて共感しやすい。日本人は特に。
例えば失恋話って、お酒の席でも盛り上がる鉄板トークですが、それほど人の失敗談に人は興味を示します。
失敗談を公開することに躊躇する人もいるかもしれませんが、それを思い切って公開することであなたのストーリーに共感し、ファンになってもらえます。
ポイントは失敗からどうやって立ち直ったかですので、そこさえ抑えておけば過去の失敗もあなたの強力な武器となります。
それ以外は
- あなたの敵対している存在
- 苦労してきたことやコンプレックス
- 成功に向かうまでの心境は?
- なにがきっかけで成功できたのか
- あなたがストーリーを語るきっかけ
- どんな不安があったのか
- 今はどんな希望があるのか
- 誰に影響を受けてきたのか
- 何を世の中に伝えたいのか
など、色々なエピソードやネタをまとめておくとその後フレームワークに当てはめやすくなります。
3.ストーリーのテーマとキャラクターを設定する
ゴールとネタを集めると、次はストーリーのテーマを決めていきましょう。
ストーリーのテーマとは読み終わった読者がどのような印象を持つか決めることです。
例えば、あなたのプロフィール文章ならあなたを魅力的に見せることがテーマになりますし、商品やサービスでも同じことです。
競合やライバルが明確な場合は差別化もポイントとなるでしょう。
商品・サービスの印象を上げる事例としてはBOSSの『BOSEの最初の50年』が参考になります。
これはボーズ博士が会社を立ち上げるまでのストーリーになっており、エッセンスだけを紹介すると、
貧乏な家庭に育った少年ボーズ博士はおもちゃの電車をきっかけに電気に興味を持ちます。
高校に進学すると自身の知識を活かしてラジオ修理店を立ち上げる。
ラジオ修理店はたちまち話題となり、その地域で最大のラジオ修理店へ。
その後、ボーズ青年は世界最大の工業大学MITの存在を知り、入学を目指しますが学力不足で挫折しかけます。
しかし、ボーズ青年のラジオ修理の腕前をよく知るMIT卒業生が「この男を入学させるべきだ」という手紙を入学事務局に書いたことで補欠入学できることに。
そしてボーズ博士はMITに入学後多くの特許を取得し、自身の会社を立ち上げました。
というストーリーです。
ここでのポイントはヒーロー(ボーズ博士)は何か満たさせない環境や傷を持っている存在であること。
ヒーローの満たされない心の隙間に読者は共感します。
ヒーローの傷ついた心を癒すための旅が、ストーリーに感動をもたらすのです。
傷を癒すための旅が電気との出会いであり、MIT入学という試練をメンター(MIT卒業生)の手紙により乗り越え、会社を立ち上げます。
この話は、商品・サービスの開発秘話やあなたのエピソードを語る際にも参考になるでしょう。
この例のように、テーマを設定すると次はキャラクターを決めます。
主人公のキャラクター、キーマンとなる存在、敵対者など神話の法則に登場するキャラクターを設定。
キャラクターの設定はテーマによっても変わります。
主人公のキャラクターは前述したとおり、何かに傷ついた存在であることがキーポイント。
例えば映画「ビバリーヒルズコップ」では物語の主人公はちょっと尖った存在で、友人が殺害されたという心の傷を背負った存在が魅力的に移っています。
その傷が影響して世の中や社会に対して尖っていたり、コンプレックスを感じていたりして、その傷を癒すストーリーを描いていきましょう。
4. 神話の法則のフレームワークに落とし込む
テーマとキャラクターが決まると、神話のフレームワークに落とし込む作業です。
それぞれのステップにキャラクターとネタを盛り込んでストーリーを組み立てます。
ここでのポイントは12のステップ全てに落とし込む必要はないということ。
忠実に12ステップに沿ってしまうとくどいストーリーになってしますので、テーマに合わせて削ったり、飛ばしたりしながら作成します。
あるいは、順番に作っていって「ここは作りにくいな」という部分を端折っていく方法も良いでしょう。
語るべきポイントは主人公の『主人公の決断→主人公の行動→行動の結果』ですので『過去→現在→未来』の軸を外さなければオッケーです。
5.PDCAサイクルを回す
ここまで来ると神話の法則はほぼ完成です。
しかし、文章としての完成は第3者がどう思ったかが真のゴール。
ですので、あなたの作ったストーリーが第3者がどう感じ、思ったような行動を取ってくれたか、思ったような印象を与えることができたかが大事です。
そのためには、公開して反応を見たり第3者にどう思ったかを直接聞いてみたりすると良いでしょう。
神話の法則に関わらず、WEB上の文章は反応を見て改善を繰り返すことで最適化していきます。
そこでPDCAサイクルの考え方がポイント。
- Plan→作成
- Do →公開
- Check→反応を見る
- Act→改善
上記の流れで、ストーリーを完成形に仕上げます。
自分の中で完結させるのではなく、人に見せて狙った反応を得られることが真のゴールです。
神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)まとめ
神話の法則を知ることで、自分の文章の幅がぐっと広がります。
また神話について深く知っていくことで人類の思想や哲学、心理学も学べます。
神話の法則について興味のある方は本で学ぶのも良いでしょう。
神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)について書かれている本はいくつかありますが、1番のおすすめは『神話の法則』です。
絶版になっているので少々高めですが、手に入れる価値は大いにあります。
それ以外ではこの本もおすすめ。
自分を魅力的に語りたい、商品・サービスの開発秘話に悩んでいる、感動を呼ぶ脚本を作りたいという方は神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)を身につけると、引き出しが増えるでしょう。何より人の心理なども面白く学べるのでぜひ、興味を持ってもらえると嬉しいです。
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