外資系コールセンターの恋愛事情

「あの二人、付き合ってる? 」

 

そんな会話が日常的に交わされている職場だった。

 

コールセンターといえば、僕のイメージではそれほど恋愛はないイメージだったが、勤めてそのイメージは180度変わった。過去のどんな職場よりも恋愛が盛んだった。

 

中でも多かったのが管理職と社員のカップル。良くそんな社内恋愛が多いのにセクハラがどうのこうのみたいな事がよく言えたもんだ。

まず最初に驚いたのが、入社して最初のインストラクターが僕の同期と付き合いだした。しかも付き合っていた彼女と別れて・・・

このインストラクターは前の彼女も社内にいた。だから元カノと現行の彼女が社内に共存しているという事だ。

 

現場に出てからも社内恋愛事情は耐えることがない。

会社の飲み会でも盛り上がるのは「誰それと誰それは付き合っている」などという下世話な話ばかりだった。

 

かくいう僕も、その波に飲まれて社内恋愛に走ったことがあったが、結局上手くいかず気まずい状態になった。社内恋愛には別れた後のリスクが常に付きまとう。

 

前述したインストラクターにしても社内で付き合いだす男女に言えることは、社内恋愛も政治のようなもの、という事だ。

 

社内に狙っている子がいると、必然的に他の同僚の男たちはライバルという関係になる。そこで、他の男たちの評価を下げる事と言ったり、自分の株を上げる工作が実際に行われていた。管理職にカップルが多かったのは自分の株を上げるのが容易な立場だからだろう。

 

管理職ではない平社員同士のカップルもいたけれど、その人たちの也染をしらない人からしたら、仕事中にイチャイチャする二人を冷ややかな目線で見ていた。

サルの様にしか思えなかった。ハムスターは同じ籠の中にオスとメスを入れると例外なく出来てしまう。彼らはハムスターと同等という事だ。

 

何も社内恋愛が悪いことだとは思わない。しかし、あまりにそんな話が多かったので、何しに仕事に来ているのか窺わしく思っていた。

 

職場に好きな人がいることは幸せなことかもしれない。仕事にやりがいも見いだせるだろう。二人がゴールインできれば、出会いの場としては一番良い場所なのだろう。

 

社内恋愛がしたいのなら、コールセンターという選択肢もありかもしれない。

だけど、だけど同時に分かれた時に会社に居づらくなるという諸刃の剣の選択という事もお忘れなく。

 

恋は盲目とはよく言ったもの。最終的に当人が良かったらそれでいいのかもしれない。

<終わり>

 

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