今回は、先日のAppleのWWDC2024イベントで発表されたApple Intelligenceについて解説します。
日本ではAppleユーザーが多いため、AIが導入されるというニュースに興味を持つ方も多いでのではないでしょうか？
例えば、
「Apple Intelligenceが何ができるのか？」
「どんな機能があるのか？」
「いつから使えるようになるのか？」
といった疑問を、この記事では解決します。
Apple関連の仕事に携わっていた経験がある私自身、今回のニュースには非常に注目しています。
Apple Intelligenceとは、
- 独自の言語モデル
- 画像生成モデル
- AIエージェント機能
- ユーザーのパーソナルデータ活用機能
などを搭載したものです。
また、iPhoneやMacにChatGPTを統合することで、様々なAppleでChatGPTを使用できるようになると発表されました。プライバシーの観点からも、データはデバイス内に保持され、安全性が確保されています。
ぜひこの記事を最後まで読んでApple Intelligenceの内容を理解し、日本でのリリースを待ちましょう。
Contents
Apple Intelligence（インテリジェンス）とは
Appleインテリジェンスは、主にiPhone、iPad、Macに搭載される新しいAppleのAIモデルです。
このAIはiOS18、iPadOS18、macOS Sequoiaに統合された革新的なシステムとなります。
主な特徴としては、
- 独自の言語モデル
- 画像生成モデル
- AIエージェント機能
- ユーザーのパーソナルデータ
などを活用する機能が搭載されています。
このAppleインテリジェンスはWWDC2024という開発者向けのカンファレンスで紹介されました。
Appleは毎年このイベントを開催しており、熱心なAppleユーザーは、アメリカ時間の6月10日の午前10時（日本時間では深夜）にチェックします。
熱心なAppleユーザーが多い日本では、多くの人がこのWWDCをチェックしている人が多いです。
Appleインテリジェンスの対応機種
それでは、Appleインテリジェンスの対応機種を見ていきましょう。
現時点での対応モデルは、iPhoneの場合、iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxのみです。
そのため、これより前のiPhone15以前のモデルやProモデルでない場合は使用できません。
一方、iPadの場合はM-1チップ以降を搭載したモデルが対応しています。
具体的には、iPad Pro 13インチと12インチの第5世代以降、Proの11インチ第3世代以降、そしてiPad Air第5世代、iPad Air 15、11インチ、13インチが対応しています。
次に、Macについてですが、MacはiPadと同様にM-1チップを搭載したモデルが対象で、具体的にはMacBook Airの2020年モデル以降、そしてMacBook ProやMac miniとなっています。
これは、現行の最新モデルが対応しているということです。
しかしながら、Appleインテリジェンスが搭載された新規デバイスの発表はまだ先で、その時点になると対象デバイスを持っている人が増えるでしょう。
ただし、現時点でこれ以前のモデルを持っている方は、このAppleインテリジェンスには対応していないという状況です。
パーソナルデータ活用
次にパーソナルデータの活用についてですが、このAppleインテリジェンスはユーザーのパーソナルデータを活用して最適なサポートを提供します。
例えば、カレンダーのイベント、メッセージ、自分の写真、その他のAppleなどから情報を集め、最適化します。
Appleインテリジェンスはデバイス上の個人データ（メール、写真、カレンダーなど）を活用して、ユーザーの状況に合わせて最適な操作を行います。
例えば、カレンダーの予定に基づいてリマインダーを設定したり、メールの内容から自動返信を生成したりします。
これらの機能は非常に便利で、自動的にリマインダーを設定したり、メールの内容に応じた自動返信を生成したりすることが可能です。
さらに、写真を利用して個々のコンテンツ提案も可能です。
スマートフォンは個々のユーザーに最適化された状態で、個人情報が最も適切に活用されています。そのため、ユーザーに合わせたカスタマイズが可能です。
このように、データを活用できることは非常に大きな強みとなります。
Appleインテリジェンスは、個人データを活用してよりパーソナライズされたサポートを提供することが可能です。これにより、私たちの生活をより便利にするというメリットがあります。
音声による会話AI
次に、音声による会話AIについてです。
Apple製品の場合、Siriがこれに相当します。
新しい機能として「NaturalLanguage」があり、これを使用するとより自然な会話が可能になります。
これは、Siriの進化版とも言えます。
文脈を理解しながら自然な会話が可能で、Siriも現在でも使えますが、場合によっては少々不自然に感じることもあります。
重要なポイントは、ユーザーの過去の会話内容を記憶し、スムーズな対話を維持できることです。
これまでのAIは現在の会話しかできなかったのですが、これを使用すれば、過去の質問を覚えてそれに合わせて回答してくれます。
これは非常に便利になりそうです。
また、誤字脱字や言い間違いにも対応します。ユ
ーザーが意図する内容を正確に理解できるように柔軟に対応します。さらに、英語の音声とテキストの間をシームレスに切り替えることも可能です。
音声とテキストの切り替えをシームレスに行うことで、ユーザーの利便性が向上し、よりストレスフリーに音声による会話AIを利用できます。
この機能もAppleインテリジェンスに搭載されています。
文章生成と構成機能
次に、文章生成と校正機能について説明します。
Appleインテリジェンスは高度な文章生成と校正機能を提供します。
例えば、メールを書いているときにそのトーンを変更したり、文章を簡潔にしたり、わかりやすくしたりするという編集機能が付いています。
AI技術を活用して、
- 文章の校正
- リライト
- 要約
などを自動で行うことで、効率的な文章作成をサポートします。
具体的には、メールやメモの内容を元に適切な文章を自動で作成することが可能です。
また、自動的に文法チェックやスペルチェックを行い、改善点を提示する機能もあります。これまでのように、ChatGPTやNotion AI、Evernoteなどを使用する必要がありません。
さらに、Apple製品にもこの機能が付くことで、iCloudでメールを打つときや、メモ帳にメモを取るときなどにも役立ちます。この機能により、文章作成がかなり便利になると思います。
文章生成と校正機能により、ユーザーは簡単に質の高い文章を作成できます。
特別なツールを使わずに、手元のiPhoneやMacで高品質な文章を作成することが可能になります。
画像生成と絵文字生成
次に、画像生成と絵文字生成について説明します。
Appleインテリジェンスは映像に関しても優れており、文字を作成することができます。これは新しい機能で、自分の好きな絵文字やキャラクターを作成できます。
またAppleインテリジェンスは、個々の要求に合わせた画像生成やカスタム絵文字作成機能を提供しています。
これらはAI技術を活用し、ユーザーのリクエストに基づき作成されます。
これにより、プレゼンテーション用のカスタム画像や、チャット用の絵文字を簡単に作成できます。
ユーザーは具体的な指示を出すだけで、AIがそれを基に画像を生成します。これにより、オリジナルの文字や希望する画像を作成できます。
これまでにChatGPTやMidjourneyなどを使っていたと思いますが、これらもAppleの端末で可能です。このツールを使えば、10文字以下のカスタム文字を簡単に作成できます。また、自分や友人、家族を模した絵文字を作成し、それらはチャットやSNS、LINEなどに使用できます。
写真や動画
さらに、写真や動画といった機能もあります。これはImage Playground（イメージプレイグラウンド）と呼ばれ、簡単な単語を入力するだけでハイクオリティの画像を作成できます。
Appleインテリジェンスは、文章から関連する写真や動画を自動で生成する機能も提供しています。
これは、AI技術を活用して文章の内容に合った写真や動画を検索し、自動でムービーを生成します。
これにより、旅行の思い出をムービーに自動で変換したり、選択した音楽とともに編集するなど、個人的な体験をより価値あるものに変えることができます。
さらに、iPadを使ってスケッチも可能です。
ChatGPTとの連携
また、AppleはiPhoneやMac、iPadにChatGPTを統合すると発表しました。
これによって、これらのデバイス上でChatGPTを直接使用できるようになりました。
例えば、SiriがChatGPTの出力を適切に判断し、必要に応じてChatGPTを呼び出すことができます。
これは、Apple製品と統合することで、Siriがユーザーの質問に対する詳細な回答をサポートできるということです。
つまり、ChatGPTとの連携により、Siriがより強力になるというわけです。
例えば、「最新のニュースを教えて」とユーザーがAppleのインテリジェンスに尋ねると、ChatGPTがインターネットから最新の情報を取得し、Siriがそれをユーザーに伝達します。
また、複雑な質問に対する詳細な情報提供も可能となり、これまでのSiriと比べて精度が格段に向上します。これがChatGPTとの連携の効果です。
ChatGPTとの連携は年内に実現予定です。
実現すれば、iPhoneでもChatGPTがデフォルトで使用可能になるというわけです。これは大きな話題となっています。
プライバシーと安全性
次に、プライバシーと安全性について見ていきましょう。
個人に最適化したりパーソナライズしたりすることは強みですが、プライバシーを重視する必要があります。スマートフォン端末には個人情報が多く含まれていますからね。
そこでAppleインテリジェンスは、高度なプライバシー保護とデータ安全性を提供します。ほとんどのデータ処理はデバイス内で行われ、クラウドへの送信は最小限に抑えられます。
その結果、ユーザーのプライバシーが確保されます。
例えば、メールやカレンダーのデータはデバイス内で処理され、必要な場合のみプライベートクラウドで追加処理が行われます。
ただし、そのデータはAppleには保存されません。
ここで重要なのはやはりプライバシーです。
個人的には、AppleがこれまでGoogleやマイクロソフトなど他の企業がAIを活用したサービスを次々と出していた中で、唯一Appleがそれを出していなかった理由は、個人情報に対する厳格な取り組みと、プライバシーと安全性への重視があったと考えられます。
実際、Appleはより強固なプライバシー保護を実現できたと言えます。
その要点としては、
- 暗号化と安全な処理
- ユーザーの同意
- 透明性
の三つが挙げられます。
データは暗号化され、安全に処理されること、そしてユーザーの同意がクラウドへの送信に必要であること、さらに透明性を重視し、プライバシーポリシーに関して独立した監査も実施していることが特徴です。
その他の特徴
その他の特徴についても見ていきましょう。
例えば、「Type to Siri」機能により、周囲が騒がしい状況でも入力が可能になりました。ダブルタップするだけで情報をリクエストし、素早く入力することができます。
次に、パーソナライズされた通知についてです。通知はカスタマイズが可能で、スタックの一番上に置くなど、さまざまな設定ができます。これも大きな変更点の一つです。
また、「Memory Movie（メモリームービー）」では、自分の思い出の写真を作成することができます。これもカスタマイズが可能です。写真ライブラリーや自分のメッセージを通じて、自分だけの思い出の写真を作成できます。
その他の機能のまとめ
このような機能をまとめてみると、一つ目は「システム全体の統合」で、AppleインテリジェンスはiOS18、iPadOS18、macOSSequoiaに投入されています。システム全体で利用可能という点が強調されています。
次に、「高度な音声認識」によりSiriが進化し、より自然な会話が可能になります。
文章を理解し、対応してくれます。
さらに、「リアルタイムデータ処理」により、リアルタイムでデータを処理し、迅速な応答を提供します。スケジュール管理やリマインダー設定がスムーズになります。
私自身、iPhoneのリマインダー設定機能をよく使うので、これがスムーズになると非常にありがたいです。
最後に、「パーソナライズされた通知」は、優先度の高い通知をトップに表示します。
情報を見逃さないようにする機能で、プライベートシーンやビジネスシーンで便利に使えます。
今後のApple生成AIの注目点
次に、私が個人的に注目しているAppleのAI技術についてお伝えします。
個人的にはMicrosoftの”Pilot”やGoogleの”Gemini”と同様に、AIを活用した業務効率化に注目しています。
具体的には、MacユーザーならKeynoteやPages（Wordに似たApple）、Numbers（Excelやスプレッドシートに似たApple）、iCloud、iMovieなど、Appleの製品を愛用していると思います。しかし、これらの製品はまだAI対応が進んでいません。
それに対し、競合のMicrosoftは既に”Pilot”を活用して、Excel、Word、PowerPoint、OneDrive、Outlookなどの業務効率化に特化した連携を実現しています。
したがって、Appleは業務効率化の面で少し遅れをとっていました。
主にWindowsユーザーがマイクロソフトを使用していると、少し有利であったと言えます。それは、結構お得だったというわけですが、この点をAppleが今回カバーしてくるところに注目しています。
同様に、Googleも競合相手であり、Googleのジェミニも同じくExcel、Word、PowerPoint、OneDrive、Outlookなどの同様のサービスを提供しています。
Googleドライブ、ドキュメント、スプレッドシート、スライド、Gmailなど、Googleワークスペースで使用できるものがあります。
これも既にGoogleはGeminiと連携しており、AIと連携して効率化できています。
ここをAppleがインテリジェンスでカバーしてくれるというところに注目しています。
KeynoteやPagesなど、文章生成の部分でも、ページと図で文章生成や構成ができれば非常に便利になります。
また、わざわざ他のツールを立ち上げなくても完結するところもあります。数式や関数などをAIと連携できたら便利になりそうです。
また、iMovieというものも、動画というところはAppleインテリジェンスがカバーしてくると考えています。
Keynoteについても同様です。
例えばMicrosoftのPowerPointは、スライドデザインなどでAIと連携して作成できるのは既知です。Keynoteが同じような機能を取り入れるのか、そういった点に注目しています。
その他の注目点としては、AppleのAppleインテリジェンスにおけるツールのオリジナリティや使いやすさがあげられます。
私は普段からKeynoteやPagesをよく使っており、iCloudが便利になると嬉しいと期待しています。
AppleインテリジェンスについてはAppleが公式で出しているプレリリース記事も参考になります。
より詳しく知りたい方はAppleの公式ページもチェックしてみてください。
https://www.apple.com/jp/newsroom/2024/06/introducing-apple-intelligence-for-iphone-ipad-and-mac/
Appleインテリジェンスまとめ
今回は「【2024最新版】Appleの生成AI「Appleインテリジェンスをいち早くレビュー」というタイトルで、Appleの新しい生成AI、Appleインテリジェンスについて解説しました。
- 独自の言語モデル
- 画像生成モデル
- AIエージェント機能
- ユーザーのパーソナリティ
などを活用する機能が搭載されています。
また、iPhoneやMacにChatGPTを統合することで、様々なApple上でChatGPTを使用できるようになるとも発表されました。
日本でのリリースはまだ先になりそうですが、実現すれば、生成AIの活用が日常的に浸透することが予想されます。個人的には、生成AIがどんどん皆さんに浸透することを楽しみにしています。
資本力を考慮に入れると、生成AIツールの中でもAppleインテリジェンスは大いに期待できます。さらに、今回のAppleの発表を受けて、MicrosoftのCopilotやGoogleのGeminiなどの動向も気になります。
今後もAI関連のニュースを楽しみにチェックしていきましょう。
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