例えば道端で売っている自販機のコーラ。
同じ味のコーラでもリッツカールトンで購入すれば1000円します。
それでも人は購入する。コーラはディスカウントショップで買うと50〜60円くらいだったりします。
なぜ同じ価値のものでも、より高値でも売れてしまうのか?
その理由をこの記事ではご紹介いたします!
コーラを1000円で売るには価値を提供する
先述したとおり、コーラは通常100円ですが、高級ホテルで注文すると1000円くらいはする。
これは騙されているのでしょうか?
いえ、決してそうではありません。
ディスカウントショップで販売しているコーラと、高級ホテルで販売しているコーラとでは、提供している”価値”が違います。
コーラという液体は変わりません。ということは何が違うのか。それはサービス内容です。
リッツカールトンにはルームサービスがあります。それで、ホテルマンがキンキンに冷えたコーラを適切な温度で、ライムと氷のついた状態で運んでくれ、高級ホテルの最高のシチュエーションで味を楽しむことができるので。
つまり、サービスと環境という付加価値をつけることによって、そこにバリューが生まれ、お客さんは満足します。
日本のマーケットはほとんどが値下げされて、価格競争になっていますが、こうした付加価値を提供して、独自のサービスを提供する、という考えも、成功するひとつの例です。
ADSL事業が爆発的に普及したわけ
2000年当時、日本にはADSLという通信方法はあまり普及していませんでした。当時は写真一枚送るのにも、数時間かかっていた時代で、日本は世界の中でもインターネット後進国と言われていた時代。
そんな時代にS社が、従来の半額とあんる2280円でADSL回線を開始して、瞬く間に500万ユーザーを獲得。日本に高速回線を広め、時代を変えました。
なぜADSLがうまくいったのか? 現在でも同じようにサービスを競合他社より半額で提供すれば爆発的ヒットが生み出せるのか?
……答えはノーです。
このADSL事業がうまくいったのは、時代背景がありました。当時の日本はほとんどがアナログ回線です。ちなみにADSL回線にするためには「アナログ→ISDN→ADSL」という流れが必要で、デジタル回線のISDLからADSLに変更するためには多大の投資が必要です。
S社はすでにこの市場や先進ベンチャーとして参入し、約4年の赤字に耐えて、市場のシェアをすでに獲得していました。
ですので、ADSLがヒットした背景には、時代背景とマーケティング戦略が複雑に絡み合っており、成功した事例です。
現在の状況で同じように半額でサービスを提供するのは、リスクが高いと言えるでしょう。
キシリトールはこれで成功した!
マーケティング施策の成功例でキシリトールガムがあります。キシリトールは従来の甘味料とは一線をひく、歯に優しい甘味料として登場しました。フィンランド初の甘味料です。しかし登場当時は全く受け入れてはもらえませんでした。歯医者さんでも当初は受け入れなかったそうです。
そこで、日本のとある担当者は考えました。どうにかして、これを広める方法はないかと。そこで思いついた施策がキシリトールを「予防歯科」に応用するということ。
「虫歯にならないために歯医者にいく」というビジネスモデルを新しく作ったのです。虫歯予防ということだと、歯医者も快く受け入れてくれます。既存の虫歯になってから、歯医者に行くのでなく、虫歯になる前に歯医者にいく予防歯科。
これが見事に浸透し、虫歯予防のためにキシリトールガムは世に広がりました。
今では当然のようにレジ横に並ぶようになったキシリトールガム。
そこにはいろんな、施作がありました。
お客様重視では売れない!?
マーケティングではお客様重視すぎても、逆に良い条件で商品を売ることができません。大切なのはお客さんが望んでいる願望を叶えるより、そのお客さんに一番適切な提案はなにか、その潜在的ニーズに答えることでう。
先に紹介した、1000円のコーラを販売しているリッツカールトンも、ADSL事業を広めたS社も、キシリトールガムも顧客の望んでいる顕在意識の先の潜在意識に訴求したサービスでした。
徹底的に顧客のニーズを考え、他が考えてない新たなサービスを提供していくことが大事です。お客さんが値下げを求めているから、すぐに値下げするのではなく、そこにある本当の価値を提供するようにしましょう。
まとめ
コーラを1000円で売るマーティング手法をご紹介いたしました。この記事は「100円のコーラを1000円で売る方法」から着想をいただきました。
いろんなシーンで使えて、ためになる考え方です。自社の商品を開発する際、自分でサービスや商品を販売する際にも、必要な考え方です。
自分の事業を優位に進めて、競合から勝ち抜くためにも、うまく活用していきましょう。
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