人が行動する際にはある心理が働いていることをご存知でしょうか?
人を動かす文章を書くには、まずは相手にとって欲しい行動(アクション)を明確にする必要があります。
文章とは自分の気持ちを相手に伝えたり、見てもらったり、感じてもらって人に行動してもらうためのものです。もちろん、自分自身のためだけに書く日記などもありますが、それも角度を変えると自分へのメッセージです。
つまり、文章の本質とは相手に行動を促したり、気持ちを伝えて現状とは違う気持ちを動かしたりすることが最終的な目的です。
例えば
- 上司に出す企画書
- 異性に想いを伝えるラブレター
- 自分の日常を報告するSNSの投稿
- メール
- ランディングページなどのセールスレター
- 自己PR文
これらは全て、文章の向こう側に相手がいます。
この記事では文章の本質である「相手に気持ちを伝え行動してもらう」ために必要な4つの人間心理について紹介します。
プロのコピーライターは本記事で紹介する4つの概念を駆使してセールスコピーを書いています。ぜひ、この概念を身につけて、人を動かせる文章を書けるようになりましょう。
2つの欲
人間には本質的に2つの欲があります。それが
- 得たい欲
- 避けたい欲
です。
物事にはどんなことでも二面性があります。光と陰、表と裏、成功と失敗、前進と後退……。世の中にある商品やサービスはこれらの2つの欲を満たすために存在しています。
人はこの欲のために生きて、そしてお金を払ったり、行動したりするのです。
ポジティブとネガティブ
2つの欲を具体的に説明すると、得たい欲とは幸せになりたい、や人よりも優位に立ちたい、物が欲しい、モテたい、などを満たしたい欲求のことです。
逆に避けたい欲は、不幸になる、貧乏になる、ひとりぼっち、惨め、フラれる、などのストレスを避けたいという欲。
特にこの2つの欲で、人間が強く反応するのは避けたい欲。つまりネガティブな側面です。人は欲しいや満たされたいという感情よりもマイナスの感情や、不安な状態を避けたいという気持ちが強い生き物。常に安心な場所にいたいのです。
その感情をうまく刺激することが、人を行動させる文章のコツです。
こんな言葉に人は反応する
例えば、次のような問いかけがあったとします。どちらの方が心に残るでしょうか。
A:友達が増えます
B:友達を失います
または、
A:睡眠時間を確保すると長生きしますよ
B:睡眠時間を削ると早死にしますよ
いかがでしょうか。おそらくBの方のメッセージに反応したのではないでしょうか。
人間は現状からマイナスに触れる感情に対してはとても敏感です。
本能的に恐怖から避けたいと感じます。
これは私たち人間のDNAレベルで脳に刻まれている本能です。
コピーライティングはバランスが大事
人間はストレスを避けたい欲の方が何かを得たい欲より強いというのは、前述したとおりです。
しかしだからといってネガティブな面にばかりフォーカスした文章は人に嫌がられます。
例えば、学生時代に「勉強しないと、バカになるぞ!」とずっとプレッシャーをかけ続けられても、勉強する気にはなりませんよね。
人に行動してもらうコピーライティングはバランスが大事です。人には避けたい欲があるということを念頭に置いて、そのエッセンスを少し組み入れるだけで十分です。
料理に例えると隠し味のようなもの。主張が強すぎると料理そのものの味が死んでしまいます。
ネガティブなメッセージを伝えるにはストーリーを取り入れよう
得たい欲、避けたい欲の両方に言えることですが、人はただ商品の特徴や利点を伝えられただけでは魅力を感じません。
ではどうすればいいか。
そんな時は文章にストーリー性を取り入れましょう。例えば日本昔ばなし。日本人は物語が大好きです。その特性をコピーライティングにも利用します。
例えば、睡眠時間を取って欲しいというメッセージを伝えたいとします。そんな時はストレートに睡眠時間を削ると早死にするよ、と伝えるのでなく、
「私は以前、睡眠時間をあまり取っていなかった時期がありました。一時間でも長く起きていたいと思っていたのです。そんなある日、私は病気になりました。
検査の結果、過労によるストレスからでした。
そこで、私は自分の身体がなぜこうなったのかを調べたんです。その結果、睡眠不足が体調不良の原因であることが分かりました。
睡眠不足を続けていると、寿命が縮まり、病気になるリスクが高まる他、集中力や記憶力が低下することもわかったんです。それ以来、睡眠時間を確保するようになり、健康になりました。」
……いかがでしょうか。ストーリー性を持たせることで、睡眠不足は体に悪いということがより伝わったと思います。ネガティブな要素を伝えたい時は、ストーリー性を取り入れてみてください。
得たい欲と避けたい欲は、ペルソナ設定とベネフィットから導き出す
では具体的に得たい欲と避けたい欲を文章化するにあたり、どうやって導けばいいのかというと、それはペルソナ設定とベネフィットを探すことから始めます。
ペルソナとは架空の読者やお客さんのことで、サービス、商品を売り込みたい人、またはあなたのメッセージを伝えたい人です。
ペルソナはターゲットの属性を絞れば、絞るほど効果があります。ペルソナ作りには以下のような属性を決めておくと、何に悩んでいるのか、どんな欲があるのかが、見える化してきます。
- 年齢
- 性別
- 世帯規模
- 所得
- 職業
- 学歴
- 住所
ベネフィットとはその商品やサービスを手にすることで得られる”利得”のことです。よくメリットと勘違いされますが、メリットとベネフィットは明確に違います。メリットは特徴です。例えば、安いとか、早いとか、高性能とかスペック。
ベネフィットはこれを手にすることで、こんな風になれるといったこと。
例えばダイエット商品なら「このプログラムを消化することで、夏は異性にモテる体になれて素敵な彼女ができます!」といったような具体的な例です。
ベネフィットを提示することで、避けたい欲を解消したり、得たい欲を刺激できます。
ストレスから解放できてこんな未来がありますよ、とかこんな快適な暮らしができますよ、といった具合です。
面接の時の自己PR文章などは、自分の存在をベネフィットにすることが大切です。自分を採用すると御社はこうなりますよ、こんないい未来になりますよ、という風に使います。
3つの脳
3つの脳とはアメリカの脳科学者ポール・D・マクリーン氏により提唱された脳の概念です。
人間の脳は内側から外側まで3つの脳により形成されているとマクリーン氏は著書「三つの脳の進化」の中で述べています。
その3つの脳とは
- 爬虫類脳(反射脳)
- 哺乳類脳(情動脳)
- 人間脳(理性脳)
です。
構造的には卵の中心部分、いわゆる私たちの脳の中心には爬虫類脳があり、そこから外側に哺乳類脳があり。さらに一番外側に人間脳があります。
それぞれを簡単に説明すると、寒いや暑い、お腹が空く、喉が渇くなどといった生理的な反応は爬虫類脳。自分の子供を見て愛おしくなったり、仲間を思いやったり、友達を作りたいという感情は、哺乳類脳が反応しています。
最後に、論理的に物事を考え、判断したり、成長、貢献をしていきたいという、より創造的な感情は人間脳が反応しています。
爬虫類脳とは
爬虫類脳は生きたい、生き延びたいといった生命の根源を司っています。一言でいうと哺乳類脳は「安全でいたい」という本能そのもの。
暑い、寒い、寝たい、喉が乾く、お腹が空くなど、生命を維持するために欠かせない部分です。生命を維持するために機能する脳のため、哺乳類脳は新たな挑戦などの行動を好みません。
例えれば、川で生き抜くワニ。生きるために他の生き物を攻撃し、生きるために獲物を捕獲します。
哺乳類脳は、私たちの脳の中でも一番、原始的な部分。脳の中でも一番古いです。
コピーライティングを行う際は、前述した避けたい欲と関係しています。人間が本能的に必要としている欲求を刺激することで、読者は行動を起こしやすくなります。
哺乳類脳とは
哺乳類脳とは、爬虫類脳の次に古い脳といわれています。哺乳類は一言でいうと仲間意識の強い脳。群れを作ったり、子供を庇ったり、集団行動ができる脳です。爬虫類脳を覆うようにしてこの哺乳類脳が存在します。
そのため、爬虫類脳よりも情動的な行動や感情を司り、「喜び、怒り、愛情、恐怖、嫌悪」といったよりより豊富な感情をコントロールします。
例えば、犬や猫は、トカゲやワニなどに比べて感情が豊かです。威嚇するために吠えたり、悲しい時は泣いたり、人に懐いたり。子供を育てる感情も豊富です。また仲間を作って、群れで行動するという特徴もあります。
これは人間の中ではひとりでいたくないという本能や、共感を得たいといった感情に繋がっています。喜んだり、悲しんだり、憎んだり、怒ったり、という対人関係から生じる感情も、哺乳類脳と関係します。
哺乳類脳は愛情やつながりを大切にします。つまりより女性的な脳といってもよいでしょう。子供を育て、愛するといった感情、人と共感して仲間意識を持つという感情を作っています。
人間脳
人間脳はひとことで言うと「考えるための脳」です。3つの脳の中では一番新しい部分にあたります。この脳の役目は理性を司ることにあり、
- 言語能力
- 学習能力
- 創造的思考力
- 空間把握能力
といった、高度な知能を司ります。
物事を判断したり、計画を立てたり、考えたり、予想したりといった、論理的な思考は人間脳の役目。「自分自身を成長させたい、そのために目標を立てる」やクリエイティブ(創造的)なことをしたい、といったこともできます。
コピーライティング的に説明すると、最終的に商品やサービスを購入するといった判断を下すのは、人間脳の役目。これを手にしたらどうなるのかといった、未来をイメージするのは、人間脳でないとできません。
人間脳をフル活用している例としては、将棋やオセロといった論理的な思考が必要とされるゲームや、建築物の設計などの複雑で緻密な計算が必要な思考は人間脳が活動しています。
生きたいと思う爬虫類脳、仲間を作りたいと言う哺乳類脳、そして成長したいという人間脳の3つにより人は行動し、日々の意思決定を下しているのです。
3つの脳を文章に組み込むには
3つの脳を簡単にまとめると、反射的な爬虫類脳、情動的な哺乳類脳、理性的な人間脳です。
それぞれの特質を知り、文章にこの要素を組み込むことで、行動を喚起させたり、促したりする文章が書けます。
爬虫類脳の場合
例えば爬虫類脳は、安心・安全・支配といった防衛本能を司っているため、保証や返品などを使うと良いでしょう。また勝利する、といったキーワードも、生命を維持させるには必要なことです。身の安全を確保したり、支配したいという欲求を刺激できます。
言い変えると、「楽ができる」ということにも置き換えられます。また、2つの欲でも紹介した避けたい欲である「誰からも支配されたくない」といった、不安や屈辱を逃れられるような要素も効果的です。
ターゲットが男性なら、子孫を繁栄させたいといった、性的な欲望を刺激することもできます。
哺乳類脳の場合
哺乳類脳は「好き・嫌い・仲間」がキーワードです。どこかのコミュニティに所属したり、友達を作ったり、といった帰属意識に訴求させます。要は仲間意識に訴えるのです。人はひとりで行動するには躊躇することでも、2人以上でやれば、なぜか行動できたりします。
これは日本人に強い傾向ですが
赤信号、みんなで渡れば怖くない
といったところです。集団意識、仲間外れにされたくないという本能を刺激しましょう。
この仲間意識を強調することで、人から好かれたい、モテたいという欲望に訴求できます。ターゲットを女性に絞れば「愛されるメイクのコツ〇〇選」などのキャッチコピーがよいでしょう。
爬虫類脳と哺乳類脳は短絡的ですので、考えることを好みません。そのためコピーには
短期間で成果がでます
今すぐに解決できます
といった、時間をかけずに簡単にできるということをアピールすることが大事です。
人間脳の場合
人間脳のキーワードは「成長・成功・貢献」です。
この欲は、夢を叶えたいや、長期的に成功したいといった、現状の悩みの解決や、自己実現に関する要素を組み込むことで訴求できます。
例えば投資や職業。
この投資を行えば、調子的に安心して運用できますよ
このテクニックは一生使えて、職に困りません
といった風に取り入れます。コピーライティング的に言うとベネフィットを組み込むということ。人間脳は考えることができるので、未来を見せて具体的にイメージさせ、納得してもらうことが大事です。
目標達成のためのお手伝いになるような要素、相手に寄り添うような言葉を使いましょう。
マズローの欲求5段階説
マズローとは人の名前です。アメリカのアブラハム・マズロー氏が唱えた欲求5段階説のことを「マズローの欲求5段階説」と呼びます。
別名「自己実現理論」とも言われることがあります。
マズローは5段階層になっており、わかりやすく説明するとピラミッドのような層をイメージするとわかりやすいです。
下から順番に
- 生理的欲求
- 安全欲求
- 所属と愛の欲求
- 承認欲求
- 自己実現欲求
なぜ下からはじまるのかというと、人間は一番初めに下の階層の欲求を満たし、それが満たされて始めて次の欲求を満たそうとする心理が働くからです。
すなわち人間は一番初めに生理的欲求を持ち、その次に安全欲求を持ち、そこが満たされると所属と愛の欲求を持つようになるということ。
ちなみに、マズローの欲求5段階説は5段階ですが、マズローは5段階説を提唱した後にさらに一個階層を付け加えています。
それが自己実現欲求の上の「自己超越」という欲求。
そのため、本当は6段階説が正しいのですが、一般的に5段階説が受け入れられています。
では、それぞれ5段階の欲求が具体的にどのような欲求なのかを詳しく解説していきます。
生理的欲求
生き延びたい(食事・睡眠・排泄)なければ死ぬ、もしくはなければ苦痛という段階。生命の維持に必要な、生きいくために必要な欲求です。
例えば砂漠で売っている水。砂漠で水を飲まなければ喉が渇いて死ぬ、と言う時に水を欲するのがこの欲求です。
生命の維持を欲する、本能的な欲求がこの生理的欲求です。
要するに、安心できる秩序を求める、という欲求になります。
安全欲求
生理的欲求が満たされると、次に安全欲求を人は欲するようになります。これは生活を安全にしたい(健康維持・安定収入・事故防止)という心理です。
危険を避けたいという欲求とも言い換えられ、例えば生活できるだけのお金を得たいと言うのは、この安全欲求に該当します。
稼ぐ系のビジネスを考えているのであれば、この階層の人に向けてビジネスをしていくことになるでしょう。
所属と愛の欲求
安全欲求が満たされると、その次に人は所属と愛の欲求を欲します。生理的な欲求が満たされ、安全欲求が満たされても、人はひとりではこの欲求は満たされません。
人と関わりたいという欲求を人は持つようになるのです。それが、仲間が欲しい・孤独感を払拭したい(友情・愛)という欲。
コミュニティへの帰属を求めるという言い方もできます。
ちなみに所属と愛の欲求を親和欲求と呼ぶこともあります。
承認欲求
所属と愛の欲求、いわゆる仲間が得られ、孤独感が払拭されると次に人は承認欲求を欲します。
承認欲求とは、他者から認められたい・尊敬されたいという欲。仲間から認められたい、尊敬されたい、特別視されたいといった欲求です。
自尊心の充足を求める、言い換えるとチヤホヤされたいとも言えるでしょう。
ここの層をターゲットとしてビジネスするのであれば、例えば語学系のビジネス、英会話スクールなどが当てはまります。
仕事以外で英語を話しているところを想像すると、周りからみて優越感に浸ったり、格好いいと思われたいなど、そういう欲がある人は結構多いです。
そのため、英会話や語学系のビジネスのターゲットは承認欲求を持っている人、ということになります。
自己実現欲求
承認欲求が満たされ、他者から認められ尊敬される存在になると自己実現欲求を人は持つようになります。
これは、自分の可能性を試したいという欲求。他者から認められる存在である自分は、どこまで通用するのか自分の可能性を追求するという欲求です。
コピーライティングにマズローを生かすには
重要なことは自分の顧客、ターゲットがマズローでいうどの欲求をもつ段階にいるのかを把握することが重要です。把握する上でマズローの5段階欲求説がひとつの指標になるので利用していこう、ということになります。
例えば、稼ぐ系のノウハウは主に安全欲求に属する人に売れやすいです。
稼ぐ系のノウハウ→主に安全欲求に属する人に売れやすい
ここに限定されずに、承認欲求を持っている人も稼ぐ系のターゲットになることはあります、例えばお金を稼いで優越感を得たいと言う人も中には一定数います。だから承認欲求を持つ人にも売れたりはしますが、主に安全欲求に訴求しやすいと言えるでしょう。
語学、趣味系教材の販売→承認欲求に属する人に売れやすい
英会話スクールを売り込みたいのなら、安全欲求に属する人をターゲットにしても売れません。
なぜなら、生活を安全なものにしたいと言う人は英会話スクールに通わないからです。
つまり、ニーズがマッチしていないということになります。
美容、恋愛系の商材→主に所属と愛の欲求に属する人に売れやすい
あくまで主にですが、そういった傾向があるということのは事実です。
これらの例を総括すると、つまり、ターゲティングを誤ると売れない、ということが言えます。
ビジネスで売れないということは最悪のことです。
ターゲットをしっかりするということで、マズローの欲求5段階説はひとつの利用できる指標になります。
マズローの欲求5段階説は完璧ではない
もちろん、この5段階説は完璧なものではありません。ひとつの学説であるということも忘れないでくださいう。中には否定的な意見も当然あります。
この説自体が、完璧なものかというと、そうではないのです。
しかしコピーライティングを行い、ターゲティングをしっかり行うと言う上ではひとつの利用できる指標になるということは間違いなく言えます。
自分のビジネスのターゲットがどこの欲に属する段階なのか、ということをしっかりと把握しておきましょう。
そのためにはターゲットに響く言葉をリサーチする必要がある
コピーを書くにあたってはターゲットが反応するようなフレーズがコピーに含まれているのかを事前にチェックしましょう。含まれていなればターゲットには売れません。なぜなら、ターゲットがしっかりしていても魅力的な言葉がないと読まれないからです。
すなわち、その商品は売れないという結果になります。
ですので、しっかりターゲティングをした上で、そのターゲットに響く言葉をリサーチしましょう。これもコピーラティングにあたって非常に重要なことです。
例えば自分が男だけれどダイエット商品を販売するときに、ターゲットを20代の女性ということに設定したのであれば、その同じ20代の女性と会話をして、どんな言葉が響くのかということをしっかりとリサーチしておく必要があります。
あるいは20代の女性と同じような生活をしてみて、自分が仮に男でも同じような生活をしてみて、どんなものに悩んでいるのか、どんな言葉に反応するのか、ということをしっかりとリサーチしておく、これも重要です。
だからターゲットの選定とリサーチは非常に重要なのです。
6HN(シックス・ヒューマン・ニーズ)
6HNとは世界的に有名なコーチであるアンソニー・ロビンスが提唱した人間の欲求に基づいた6つの説です。
前述した3つの脳やマズローの欲求5段階説に非常に似ていますが、これらも人間の購買心理を知るには非常に重要な知識です。6つの欲求とは
- 安定感
- 不安定感、多様性
- 重要性
- 愛とつながり
- 成長
- 貢献
特に、コピーライティングを行う際は、上の4つの欲求を押さえておくとよいでしょう。それぞれ解説します。
安定感
安定感とは、確実性や安心感を求める欲求です。マズローでいう安心・安全の欲にあたります。人がもっとも潜在的に求めるニーズとして、この安心感が挙げられます。何をするにしても安心感を人は重要視します。
例えば、
- 生活が安定しているのか
- 商品を購入しても安心できるのか
- 収入が安定しているか
- この場所は安心できるのか
- 人は信用できるのか
など。生きていく上で必要な欲求ですので、コピーライティングでもお客様の声や、補償をつけるなどしてここの欲求を満たしていきます。また販売者や会社が安心できるのかも、ここに含まれます。
いずれにせよ、人はまず第一に安心感を求めるということです。
不安定感、多様性
不安定感は安定感の真逆の感情です。現状に満足せず、チャレンジする欲求とも言えます。新しいものだったり、新たな体験が得たいと思う欲求です。
商品やサービスの場合は、新規性を含めるとよいでしょう。人はもともとニュースに敏感です。よく言えば好奇心旺盛で、悪く言えばただの新しい物好きです。
この欲求は比較的男性が多い傾向にあり、冒険したり、挑戦するという意味では男性的な欲といえます。
重要性
人は誰でも自分に一番興味のある生き物です。マズローで例えると、承認欲求がこの部分に当てはまります。人は誰でも理解されたい生き物。裏を返すと、私たちは理解されるために生きています。人間関係の不和は主に”理解されない”というところから端を発しているところもあります。
この欲に訴求するためには、希少性をアピールしましょう。例えば
- 特別オファー
- あなた限定
のような言葉が重要性を満たします。また、商品やサービスによってはベネフィットを訴求することで、重要性を満たすこともできます。洋服ならこの服を着ると周りから一目置かれますよ、というような。
ダイエットや自己啓発などで「自分を変えたい!」という人は、変えた未来のいる自己重要性を満たすためにお金を払っています。
稼げたり、お金持ちになれますよ、というのも自己の重要感につながります。
愛とつながり
愛とつながりはマズローの愛、つながりと同じです。主に女性的な願望で、仲間意識や、友達、家族を大切するような欲です。
例えばコミュニティに属したいという欲だったり、友達が欲しいという欲だったり。
最近流行りのオンラインサロンなどは、横のつながりをサービスの核としたりするので、グループに入れて横のつながりが生まれる、というのはこの愛とつながりの願望ということになります。
また、人から好かれたいという欲も、この願望に該当します。
成長
成長は前述した4つの欲のさらに上にある願望です。マズローでいう自己実現のフェーズになります。3つの脳でいうと人間脳にあたり、進化したり、勉強したり、自分を磨きたいという願望です。
コピーライティングでいうと、自己実現はこの商品・サービスで成長できますよといったことを訴求していけばいいでしょう。
技術が身についたり、知識が身についたり、新しい自分になれたりという部分をアピールしましょう。
ある意味で、社会人になって大学院で勉強し直す、という行動はこの「成長」の願望が強いからになります。
貢献
貢献は全ての欲の一番上にある願望です。自分以外の他者に貢献する、ということは自己の欲求が満たされていないと行動には移せません。ですので全ての願望の頂点にあるといっても良いでしょう。
例えばボランティア。ボランティアは人を助ける行為ですが、その前に自分の安全や生活の基盤がしっかりしていなければ、他人を助けたり、ボランティア活動を行うことはできません。
人の欲をコップに例えるなら、自分自身はコップの器に水が満たされてなければ、自分にフォーカスがあたることになります。なぜなら人は、自分の欲を満たすことが第一優先だからです。人は誰でも理解されたいし、安心に暮らしたいし、安全を確保したいです。
お金でも、自分がまず生活できるくらいのお金がなければ人に貢献したり、寄付したりできません。心のコップの水がいっぱいになり、そこから溢れた部分で初めて人に貢献したり、分け与えたりできるようになります。
世の中に貢献したい、役に立ちたいという欲は誰でも持っているものです。しかしそれは他の欲が満たされて初めて実現するということを覚えておきましょう。
この層に商品・サービスを提供する際も、精神的にかなり上の層をターゲットにしていることになります。
まとめ
人に行動させる文章のために知っておきたい4つの人間心理を徹底解説してきました。人が行動するには何かしらの理由があります。
それらを紐解いたものが
- 2つの欲
- 3つの脳
- マズローの欲求5段階説
- 6HN(シックスヒューマンニーズ)
です。
これらを総括して言えることは、人は理解されるために生きているということ。生きていることには理由があり、成長したり、基本的な欲求が満たされていくことで、より上の願望を満たしたいと思います。
自分が伝えたいメッセージも、これらの心理を知っていると、使い方や伝え方が変わってきます。それぞれの願望にあわせてキーワードを選んでいくことが、行動をさせる文章のコツです。
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