認知的不協和とは?マーケティングで優位になる心理学の具体例や解消方法を解説

認知的不協和とは?マーケティングで優位になる心理学の具体例や解消方法を解説

マーケティングの世界で重要なことは興味を惹きつけて見込み顧客を獲得することです。

当然のことながら、興味を持ってもらわないと商品やサービスが売れることはありません。

ではどうすればいいのか?

そこで今回紹介するのが「認知的不協和」です。マーケティングの手法としても用いられる人間心理になります。

本記事では認知的不協和を理解して、マーケティングで取り入れる具体例を網羅的にお伝えします。

この記事でわかること
  • 認知的不協和とは
  • 認知的不協和を解消する方法
  • 認知的不協和の具体例
  • マーケティングで認知的不協和を取り入れる方法

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期待を裏切る認知的不協和とは

認知的不協和とは

認知的不協和とは、具体的にどんな場合でどんな風に使われるのでしょうか。認知的不協和の意味や具体例、解消する方法を紹介します。

心理学用語で認知の不一致を表す

認知的不協和とは、自分の考えと行動に矛盾が生じた場合に感じるストレスや不快感のことをいいます。

たとえば、「タバコは身体に悪い」とわかっていながらも、「タバコが吸いたい」と思ってしまうのは行動が矛盾していますよね。

この対立する、

  • タバコを吸ってはいけない
  • タバコを吸いたい

という矛盾に人はストレスを感じます。このストレスを解消するために、人は都合のいいように行為を正当化するのです。

「タバコを吸わないと、いい仕事ができない」

といった感じですね。

心理学者のレオン・フェステンガーが提唱

認知的不協和はアメリカの心理学者「レオン・フェステンガー」氏が提唱しました。

彼は学生に認知的不協和の実験を行いました。

その実験とは、

  • 学生をAグループとBグループにわける
  • グループごとに単調な作業を行わせて報酬を支払う
  • Aグループには高い報酬、Bグループには低い報酬
  • 次に同じ作業をする学生に、作業の楽しさを伝える

この実験の目的には、「単調で退屈な仕事」という認知と「作業の楽しさを伝える」という矛盾した行動に認知的不協和が生まれます。

興味深いことに、報酬の低かったBグループの学生の方がAグループの学生よりも必死に作業の楽しさを伝えました。

これはBグループの学生が、「割の合わない仕事」と認知しておきながら、それを「楽しい」と伝えないといけないという認知的不協和を抱えていたため、それを解消するために「実は楽しかったのではないだろうか」と認知的不協和を解消するための行動です。

その一方で高い報酬をもらったAグループの学生は、Bグループのように必死に作業の楽しさを探すという傾向は見られませんでした。

日常的な認知的不協和の例

日常的な認知的不協和

こちらでは日常的に感じる認知的不協和の例を紹介します。

恋愛

恋愛は認知的不協和の宝庫です。

たとえば、気になっていたけどそれほど好きでもない異性と関係を持ったとしましょう。

この場合、自分の行動と感情に大きな認知的不協和が生じるため、「とはいっても、けっこういい人だったし」「ルックスも悪くない」「うんうん、間違っていない」といったように、自分の行動を正当化するのです。

また、自分が気になっていた異性に恋人がいたとしましょう。その時も認知的不協和を解消するために「もしかして浮気省かもしれない」「性格悪かったかも」といったように自分に都合の良い解釈をする人がいると思います。

これは代表的な認知的不協和の例です。

ダイエット

ダイエットをしているのに「甘いスイーツが食べたい」と思って、ついつい誘惑に負けてしまったことはありませんか?

その際、スイーツを口に入れるかどうかの瀬戸際で、押し問答が自分の中で繰り広げられたはずです。

たとえば、「甘いものを食べないと頭が回転しない」「明日は朝食を抜こう」というように都合のいい考えで正当化することで認知的不協和を解消します。

喫煙

前述した例でもあるように喫煙は認知的不協和の代表的な例です。

ほぼ大半の人は「タバコは身体に悪い」とわかっていながらやめることができません。

私も経験があるのですが、「タバコを吸うと頭がスッキリする」「あの人も吸っている」という風に都合の良い解釈で認知的不協和を解消していました。

会社をやめる

仮にあなたが、超絶ブラック企業に勤めていたとします。残業時間は鬼だし、休日出勤は当たり前、上司には毎日無理難題を押しつけられます。

普通はそんな環境なんて辞めたいを思うでしょう。

しかし、社長から「大事なポストを与える予定だ」「1年後には楽できる」などと言われると認知的不協和が生じます。

その結果、「自分が出世するためにがんばる」「自分は社会のためになっている」と納得させて認知的不協和を解消させます。

仕事ができない

自分ががんばっても全然できない仕事ってないですか?

めっちゃ頑張っているのに全然成果が出ないと「頑張っている」という行動と「成果が出ない」という結果に矛盾が生じます。

そんな時に、「この仕事はそもそも自分に向いていない」「好きじゃない仕事はやらなくていい」といった様に考えることで、認知的不協和を解消させます。

認知的不協和を解消する方法

認知的不協和の解決方法

認知的不協和を解消するために、人間の脳内では「言い訳」を導こうと必死になっています。

その言い訳を導くために、

  • すっぱいぶどう理論
  • 甘いレモン理論

という2つの理論が有名です。

その2つの理論をそれぞれ解説します。

すっぱいぶどう理論

すっぱいぶどう理論とは、イソップ寓話の「すっぱいぶどう」という話に由来しています。

簡単にあらすじを説明すると、

きつねが、道を歩いていると木の上に美味しそうなぶどうを見つけます。きつねはそのぶどうを食べたくて、飛んだり跳ねたりしますが、どう足掻いてもぶどうには届きません。きつねは遂にあきらめ「あのぶどうは、すっぱいに違いない」「だから食べなくて正解だった」と捨て台詞を残して立ち去る。

というお話。

これは私たちの実生活でも同じようなことがたくさんありますよね。

たとえば、「お金持ちになりたい」と考えているのにお金持ちのSNS投稿を見ると「あの人は何かズルをやっているに違いない」と理想と現実の矛盾を解決しようとします。

ですので、世の中の妬みや嫉妬もこの「すっぱいぶどう理論」から来ていることが多いです。

実は羨ましいけど、自分はそうじゃないから、そのギャップを陰口や悪口で正当化するというパターンです。

甘いレモン理論

甘いレモン理論とは、希望しない出来事でも受け入れないといけない場合に、正当化させるための考え方です。

具体的には、果物を食べたいのに手に入る果物がレモンしかなかった。「このレモンは甘い」と思い込むこことで、他の果実と同等の価値があると思い込むという解消方法です。

お金持ちの例でたとえると、「お金持ちにならなくても自分は幸せに暮らせている」「お金持ちより好きなことをやっている人が魅力的」と思い込むことで、お金持ちと現実の認知的不協和を解消しています。

こんな風に考えることって、妥協案を受け入れないといけない時によく考えてしまいませんか?

認知的不協和をマーケティングに取り入れる方法

認知的不協和とマーケティングに取り入れる方法

ここからは実際のマーケティングで使われる認知的不協和の例を紹介します。

ドモホルンリンクルのCM

ドモホルンリンクルはその昔、認知的不協和を思いっきり取り込んだCMを流していました。

しぶ〜い男性のナレーションで

「はじめての方にはお売りできません」

という衝撃的なキャッチコピーとはじまるCMでした。

「えっ、CMで売らないってどういうこと!?」

と多くの人は気になります。これが認知的不協和を生み出していました。

その結果、このモヤモヤを解消するために多くの人が初回お試しセットを申し込み、CMは大成功。

ちなみに、「はじめて方には〜」というのは、初回のお試しセットを申し込んでいない人という意味です。

うまいですよね。

認知的不協和をキャッチコピーに取り入れる

認知的不協和はキャッチコピーに取り入れると強力です。

例えば認知的不協和を取り入れたキャッチコピーとそうではないキャッチコピーをご覧ください。

  1. 成功者になりたいなら鬼の努力が必要です
  2. あなたは寝ながら成功できます

上記を見て、あなたはどちらに魅力を感じますか?①のいっていることは確かにその通りですが、おそらく②が気になったのではないでしょうか?

なぜなら、常識的に考えて成功者はすごい努力しているイメージがあるからです。

それが、寝ながら成功できるってどういうことでしょうか。

これが認知的不協和を作り、続きを読ませたくなる例です。

その他にも、

  • 1日たった15分で天才脳になれる
  • 週に2日の労働で年収1億円
  • 好きながら食べれるダイエット

など。

人は常識と反対のことを言われるキャッチコピーを見ると気になって仕方ありません。

常識とのギャップが大きいほど、認知的不協和を作れます。

あなたも人を惹きつけるキャッチコピーを作る際は、ぜひ意識してみてください。

アフターフォローでリピーターを作る

高額な商品を衝動買いした後に「これ買ってよかったのかな…」っと、帰った後に冷静になることってありませんか?

これも認知的不協和の例です。

このような認知的不協和を抱える顧客に対して、手厚いアフターフォローを行うことで購入者は「やっぱり購入して正解だった」と認知的不協和を解消sることができます。

これらは、大手やうまくいっている事業者は必ず行っています。

購入すべき理由を示す

例えば、「家にルンバの様な自動掃除機ロボットが欲しい」「でも高いしな〜」「ボーナス入ってからでいいか」

という顧客がいたとします。

これは「欲しいけど高い」という認知的不協和を抱えている状態です。

そこで、

「自動で掃除してくれるので、時間と労力の節約になりますよ」「自分が掃除している時間、自分は好きなことができます。楽になりますよ」

といったように購入すべき理由を示すことで、顧客の認知的不協和を解消させます。

これが「やっぱり購入すべきだ」という決断の後押しになり、成約率がググッと上がることでしょう。

まとめ

認知的不協和は日常的なあらゆるシーンで発生しています。

あなたも今回の記事を読んで、思い当たることがあったのではないでしょうか?

認知的不協和はマーケティング世界でもたくさん取り入れられています。

マーケティングで認知的不協和の心理効果を取り入れることで、顧客の興味を惹きつけて購入の後押しを行うことも可能です。

ぜひ、この心理をビジネスに応用して成果を出してください。

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kohei okasuji
オンラインコンテンツの価値を10倍にするデジタルマーケターです。 サラリーマンから脱サラして、フリーのWEBライターに転身しました。 自由を手にすることができたライティングスキルを発信するためにオンライン講師としても活動。 オンラインコンテンツを世の中に広めるためにマーケティングも身につけ、クライアントワークでは2億円以上の売り上げに貢献。 趣味は楽器演奏、読書、筋トレ。 プロテインはチョコレート風味派です。